アニメとゲームのレビューBlog
お知らせ
2007/10/27
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※推敲してみると長いレビューになっていました。構成し直すのも難しいので、お急ぎの方はお暇な時にお読みください。もっと短く書けって?そんなこと言う人、嫌いです・・・※

舞と佐祐理の物語、前回が「急」だとすれば今回は「緩」で彼女たちの明日への希望を感じさせつつフォローして締め括った。
ヒロインたちのシナリオを1話単位でブツ切りにせず、きちんと糊しろを取って次回につなぐ構成は成功しているだろう。
「なぜ都合良く舞と佐祐理が病院で同室なんだ」という疑問は「倉田家がお金持ちだから」「アニメだから」「Kanonだから」とでも理解しておこう。

しかし短いフォローパートで、色々と伏線と余韻を残してくれた。
「春には退院出来そう。卒業式には間に合わないと思うけど」卒業式ネタを舞に否定形で言わせたところに、かえって希望を感じさせる演出。呪縛が解けてからの舞のキャラデも柔らかい線で構成していて、自らを檻に閉じ込めた力と過去に戸惑いを感じさせながらも、先に進む意思を表現している。
そして健気な事に「つらい事から目を背けようとしている人が祐一のそばにいる。力になってあげて欲しい」と気にかける舞。誰を?これは伏線です・・・
個人的には「祐一、お前こそが目を背けているんじゃないか」と言ってやりたい所だが。

そして佐祐理の「過去のことより、これからのことを考えないと」
弟のこと、舞のことなど過去に傷つきながらも、明日を見つめる強い意志を表わす言葉。
この人がいるから舞の存在が輝く。
嫁にもらうなら名雪だが婿に行くなら佐祐理に決まり。

真琴シナリオのドラマティックなエンディングと比較して冷遇されていると感じる向きもあるかもしれないが、そんな事は無いと思う。
ゲーム原作に比較的忠実に草原で寝転ぶ真琴のカット1枚提示して、その後の解釈を視聴者に委ねた真琴シナリオに対し、舞と佐祐理の物語はアニメ版制作者なりに救いと希望を示して締めたところは評価して良いと思う。で、実はこれは中締めでホントの締めは最終回あたり、時期的に例のイベントに絡めて描くのだと思う。一枚画でもかまわない。

うーん、舞・佐祐理シナリオについて書きすぎてしまった。今回は栞シナリオの導入部なのに。
祐一があゆを伴なって見舞い、病院で栞に遭遇はアニメオリジナル。
栞の主治医でしょうか女医さんがあゆの顔を見て「?」ってところは、初めてあゆに会った時の秋子さんと同じだと考えよう。あゆは病院が嫌いだし。

今回の水瀬家の出来事はあゆが表のシナリオ。
朝練でいない名雪と起きてこない秋子さん。あゆと祐一しかいない水瀬家の朝は不安定な構図。
母を亡くしたあゆの「秋子さんがボクのお母さんみたいに」と発熱した秋子さんに驚いて、登校途中の祐一を追いかけてくる、白ハイソックスに赤のプリーツのミニスカのあゆも新鮮。各ヒロインたちの私服のデザインも種類が多いので楽しませてくれる。
秋子さんの今回のイベント、風邪でしたね・・・
Aパートラスト、秋子さんの看病で眠り込むあゆのカットは原作ゲームと同じ構図。

その裏では名雪のシナリオが動いている。
アバンでの水瀬家、祐一とあゆは病院に見舞い中。帰宅した名雪の「祐一は?」の問いかけと、秋子さんの入れたお茶の湯飲みに目を伏せた名雪の淋しげな表情。
秋子さんの看病をするあゆ。それを心配する祐一。
学校から電話するものの、薬局の場所やおかゆの作り方など細かいところは名雪がフォローする事になる。母の具合の悪さに気付いてやれなかった娘としての後悔、そしてなぜか祐一の振る舞いに淋しそうな名雪。

まだ栞について書いてない。
Bパートはようやく栞デートから。
秋子さんの具合も名雪の淋しさも放っておいてデートとは何事!と祐一を責めてはいけない。
ギャルゲが出自の狂言回し主人公にはヒロインの物語を進める役割がある。
栞は私服の描写ばかりなのでパターンも多い。ヒロイン中いちばんのおしゃれさん。

夕方までのデートの描写で、商店街のゲーセンでプリクラ(祐一は真琴の事は忘れていないようだ)超人的な当たらなさのもぐら叩き、祐一の似顔絵描き。
祐一とあゆと出合った「思い出の場所」並木道。出会った日に家に帰って笑った(何故?)という伏線は回収されるのだろうか。その時に転んでぶちまけた買い物の中身についても。
デートシーンで「Last regrets」のアレンジバージョンが、栞に不似合いなほどに朗々と流されるが、何に収録されていただろうか?I'veのアルバムかな?

舞・佐祐理シナリオもそれぞれが表と裏で支えあってシナリオを構成していたが、ここでも表のシナリオは栞、裏でシナリオ構成を支えるのが香里の物語。
あゆと名雪は両方メインヒロインだから、単純な表裏のシナリオではない。
ただ私がナユキストだからこそ言える事だと思うが、原作ゲームはあゆメインヒロインで名雪サブヒロインにしておけば良かったのではないかと言うこと。幼馴染み属性としての名雪攻略は必要だったかもしれないが、無理に入れることはないと当時思ったものだ。メインヒロインの一人だと思うから、かえって名雪シナリオが淋しく感じるのであって、あゆシナリオの補完に回すほうが輝くのではないかと思う。今回のアニメ化のシリーズ構成とシナリオでどう扱うのか注目している。
そうすると、真琴は対になるサブがいない絶対ヒロインとも言えるかもしれない。美汐ではちょっと弱い。純粋で自然な真琴らしい。

閑話休題。栞の話が進まない。
栞のシナリオは「時間」それも「限られた時間」の物語。
そして、そんな妹とそれを見守る、見守るしかすべのない姉の物語。
この姉妹、キャスティングと演技が見事に決まっていると、つくづく思う。
一見(一聴?)下手に思える栞役の佐藤朱の演技。雪のように消えそうな、僅かばかりの時間しか持ち得ない、存在自体が心もとない栞の弱々しさと、淡々と最後まで笑っていると思わせる隠された強さ(Last regretsの歌詞に通じる)を感じさせる演技は適役だろう。

そして一見ツンデレの姉、香里。
母親の食事に手をつけないで出かける香里の冷えた感じの美坂家の描写は、アバンの秋子さんと名雪の水瀬家の様子と比べると深刻さが際立つ。
妹の誕生日は1週間後、もうすぐ妹の命が尽きると思っている姉(とても元気そうな描写の栞なんだが・・・)
祐一を夜中に学校に呼び出し、妹の秘密を打ち明ける。
香里の独白中は、街灯の強いコントラストで表情をシャドウで潰し変化をつけている。

夜中に目が覚めたような香里の描写は、妹との関係を消化できていない気持ちの証しか。
今回のサブタイは香里のためのものだろう。オラトリオには祈りの場所の意味もあるようだから。
妹の存在への頑なな態度、時に見せる他人への気遣い、そして救いを求め急速に崩れ落ちる香里の演技は川澄綾子。ホントに達者な芸だと思います。

次回「姉と妹の無言歌~Lieder ohne worte~」
第18回「消え去りゆく緩徐楽章~adagio~」
第19回「ふれあいの練習曲~étude~」
ここまでが栞シナリオでしょうか。第19回はつなぎ回のような気もしますが。

Kanon アイテム

蛇足:原作ゲームの栞シナリオは久弥直樹だったと思うが、しばらく消息不明。彼のシナリオ、七尾奈留キャラで新作アニメ「sola」が発表されたようだ。
C71でCDが発売されていたが、キャストはそのままの模様。
期待は久弥シナリオ、小林智樹監督、藤間仁の音楽。
イマイチ不安は七尾原画、古賀誠キャラデ、花田十輝シリーズ構成・・・・
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